「導入したCRM(顧客管理システム)に、現場が全く顧客データを入力してくれない」 「店舗集客のためにSNSをやれと言っているのに、一向に更新されない」 「週末のイベント準備に追われ、営業マンの商談数が落ちている」
多店舗展開を行うリテール企業やメーカーの本部から、必ずと言っていいほど聞こえてくる悲鳴です。本部は「マーケティングの重要性」を説き、現場に対してマニュアル動画や研修を用意し、口を酸っぱくして「やれ」と命じます。しかし、現場の腰は重く、システムはただの空箱と化します。
「なぜ、うちの現場はこれほどまでに意識が低いのか」 そう嘆くマネジメント層の方々に、輸入車ディーラーやPCメーカーの最前線で組織支援を続けてきた私から、一つの残酷な真実をお伝えします。
現場の意識が低いのではありません。現場の販売スタッフ一人に「マーケティング(集客・データ入力・事務)」と「セールス(接客・クロージング)」の全てを兼務させようとしている本部の戦略自体が、致命的に間違っているのです。
1.「万能な営業マン」という幻想が、売上を削っている
本部の会議室にいる人間は、マーケティングやデータ分析の時間を「業務時間」としてゆったりと確保できます。しかし、店舗の最前線の現実は違います。
現場の販売員は、次から次へと来店するお客様の対応、クレーム処理、納品の手配、そして重い販売ノルマに追われています。そこに本部から「明日の集客のためにSNSを更新しろ」「接客が終わったら、必ず10項目のアンケートをCRMに入力しろ」「イベントの案内DMを500件送れ」という指示が降ってきます。
結果どうなるか。営業マンはバックヤードでPCと睨めっこする時間が増え、店頭でお客様と対話する時間が削られます。最も売上を生み出すはずの「エース営業マン」が、本部の指示をこなすための「高給な事務員」に成り下がってしまうのです
2.戦略を定着させるのは、営業ではなく「マーケティング担当者(黒子)」
かつて私が、高級輸入車メーカーの全国ディーラー網に向けてマーケティング支援のコンサルティングに入った際のことです。
インポーター(本部)の要求は非常に高く、「ブランド基準を満たしたSNS発信」「CRMを活用した休眠顧客の掘り起こし」「週末の大型イベントの集客」などを各店舗で徹底させろというものでした。多くのコンサルタントは、ここで営業マン向けに「マーケティング研修」を開きます。
しかし、私は営業マンへの教育を完全に捨てました。 代わりに私が行ったのは、各ディーラーに配置されているマーケティング担当者(MRP)を、営業マンに対する『徹底的な黒子(過保護なバックオフィス)』として機能させる戦略の再設計です。
営業マンにゼロからSNSのネタを考えさせたり、CRMからリストを抽出させたりすれば、必ず破綻します。そうではなく、マーケティング担当者が裏側に回り、本部の厳しい基準をクリアしたSNSのテンプレートを用意し、CRMから「今日電話すべき顧客リスト」を抽出して営業マンの机に置き、イベントのノベルティ手配や裏方の事務処理をすべて巻き取る。
営業マンはただ「用意されたリストに電話をかけるだけ」「目の前のお客様をクロージングするだけ」という状態まで、泥臭い戦術の実行をマーケティング担当者に担わせたのです。
3.「過保護」こそが、最もROI(投資対効果)の高い組織戦略
「営業マンにそこまでやってあげるのは過保護だ」「現場の自立に繋がらないのではないか」 本部の人間からは、必ずこのような反論が出ます。
しかし、経営の目的は何でしょうか。営業マンを「PC操作の早いデジタルマーケター」に育てることでしょうか。違います。「本部のマーケティング施策を確実に回しつつ、店舗の販売力(売上)を最大化させること」のはずです。
ディーラーのマーケティング担当者が泥臭い作業をすべて巻き取ったことで、営業マンは「面倒な入力作業や裏方業務」から完全に解放されました。その結果、彼らは本来の使命である「来店客への極上の接客」と「クロージング」に100%のリソースを注ぎ込むことができるようになり、店舗全体の数字が劇的に跳ね上がったのです。
結論:戦略を「完遂」させるための組織デザイン
「うちの現場は、言われたことをやらない」と嘆く前に、本部のマネジメント層は自らに問いかけてみてください。
本部が導入した新しいITツールやマーケティング施策は、営業マンの「売る時間」を奪っていませんか? 「現場でやっておけ」という教育という名の丸投げが、組織の首を絞めていませんか?
株式会社マーケバディが提供するのは、綺麗な戦略を置いて逃げる無責任なコンサルティングではありません。「誰が泥臭い黒子になるのか」という戦術レベルの分業体制までをデザインし、組織の実行力を最大化させる伴走支援です。
御社の営業マンは、「売ること」に100%専念できていますか? それとも、本部の下請け作業に追われる事務員になっていますか?
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株式会社マーケバディでは、綺麗な戦略を描いて終わるのではなく、現場が動き出すまで泥臭く伴走する実行支援を行っております。「現場が本部の戦略通りに動かない」「自社製品が最優先で売られない」とお感じの企業様は、無料オンライン相談をぜひご活用ください。
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