【リテールマーケティング】現場の販売員を「自社の最強マーケター」に変える方法 〜他社製品ばかり売る売り場を制圧した実例〜

リテールマーケティング

「自社の商品をもっと積極的に勧めてほしいのに、現場の販売員が、本部が注力したい戦略モデルではなく、現場が『売りやすい(安い)モデル』ばかりを売ってしまう」 「販促POPやインセンティブを手厚くしているのに、期待したように現場が動かない」

メーカーの事業責任者や、複数ブランドを扱う小売店・ディーラーの統括層には、このような悩みを抱えている方が多いと思います。本部の戦略通りに売り込みたい「本部・メーカー側」と、目の前のお客様をさばくのに必死な「現場の販売員」。この両者の間には、インセンティブの多寡だけでは決して埋まらない深い溝が存在します。

私はかつてPCメーカーに在籍し、家電量販店などの取引先に向けて、自社製品を「1台でも多く」売っていただくための企画営業やインストラクター業務の最前線に立っていました。

熾烈なシェア争いの中で、他社製品を勧めていた販売員の方々から「このお客様には、絶対にあなたのメーカーの製品を勧めます」と言わしめ、主力店でのトップシェア維持に貢献できたのには、明確な理由があります。

現場の販売員を「単なる売り場の人」から「最強の自社マーケター」に変えるために不可欠な、3つの構造的なアプローチをお伝えします。

現場の販売員は常に数字と接客に追われ、疲弊しています。メーカーの営業マンが「御用聞き」のように現れ、カタログを置いて世間話をするだけの時間は、彼らにとって「ただの邪魔」でしかありません。販売員がメーカー営業を味方だと認定する最初の関門は、「この人間は、自分の貴重な時間を奪う存在か、それとも助けてくれる存在か」です。

マーケティングの観点から見れば、これは単なる人間関係の構築ではなく、「現場へのセールス・イネーブルメント(営業部隊の継続的な育成・支援)」の欠如に他なりません。

私はコミュニケーションの量よりも、圧倒的な「製品知識・業界知識の深さ」の提供に勝負をかけました。販売員が接客中に直面した「他社製品とのマニアックな違い」や「お客様からの鋭い質問」に対し、誰よりも早く、的確に、彼らの口からそのままお客様に伝えられるレベルの「トークスクリプト」を即座に提供し続けたのです。

「困った時はあの人に聞けば、最速で答えが出て、しかも売れる」。 この圧倒的なタイムパフォーマンス(時間対効果)を提供できた時、販売員は初めてこちらの話に耳を傾け、結果的に当社の製品が「最も接客しやすい(売りやすい)商品」というポジションを獲得しました。

「この製品はここが優れているので、こうやって勧めてください」 メーカー側がどれほど流暢に説明しても、現場の販売員は心の中で「口で言うのは簡単だ。現場を知らないくせに」と冷めています。本部の用意した美辞麗句(マーケティングメッセージ)は、現場では空理空論として扱われます。

この机上の空論を打ち破る最も強烈な方法は、自ら店頭に立ち、実際の来店客を相手に接客を行い、「売れるという事実」を目の前で証明することです。

私は実際に販売応援に入り、購入意欲が低い、あるいはクレームになりそうな難しいお客様の接客を自ら引き受け、確実に自社製品への納得と購入を引き出す実績を作り続けました。 これは単なる「現場手伝い」ではありません。「本部の戦略(トークスクリプト)が、実際の消費者にどう響くか」を現場で証明する、究極のテストマーケティングです。

「本部の人間」が泥臭く汗をかき、自分たちと同じ売り場の空気を吸って結果(実証データ)を出した瞬間、販売員からの視線は「外部の人間」から「共に戦う戦友」へと劇的に変わります。強固なパートナーシップは、マニュアルではなく「背中(事実)」でしか築けません。

メーカーは「自社のシェア(ノルマ)」を追い求め、量販店は「店舗の売上」を追い求めます。このベクトルの違いを放置したまま「うちの製品を売ってください」とお願いしても、現場は絶対に動きません。

しかし、現場の販売員の根底にある最も強いモチベーションは、「目の前のお客様に喜んで買ってもらいたい(クレームにならない良いものを売りたい)」という純粋な思いです。

だからこそ私は、「ノルマ達成のために売ってほしい」というアプローチを一切捨てました。代わりに、「なぜこの製品をお客様に勧めることが、お客様の快適な生活(顧客体験=CX)の向上に直結するのか」という価値観の共有に全力を注ぎました。

「これを売れば、お客様は絶対に後悔しない。だから自信を持って勧めてほしい」 このベクトルが一致した時、販売員はインセンティブや本部の指示とは無関係に、自律的にその製品を一番にお勧めしてくれる「自社ブランドの最強のエバンジェリスト(伝道師)」へと変化します。

ただし、これは私のキャラクターに沿った戦略です。人それぞれキャラクターがあり最適な手段は千差万別です。とはいえ、本部側は「個人の営業スキル」に依存するのではなく、現場の多くが納得できるような方策(仕組み)を組織として考えねばなりません。

自社製品を売ってくれない現場を嘆く前に、自社のマーケティングと営業組織の連動性を見直す必要があります。現場の販売員は、本部(マーケティング部)が押し付ける「正論」や「ノルマ」では動きません。彼らが求めるのは、自分の接客を助けてくれる「実利(知識・武器)」と、共に汗をかいてくれる「共感」です。

株式会社マーケバディでは、本部と現場の橋渡し役として、こうした「現場の人間関係構築」から「マーケティング戦略と連動した実行力のある販売教育」までを泥臭く伴走支援しています。

御社の営業・マーケティング部門は、現場の販売員にとって「時間を奪う御用聞き」になっていますか?
それとも「共に売上を作る最高の味方」になっていますか?
あなたなら、すぐ答えが出せるでしょうか?


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株式会社マーケバディでは、綺麗な戦略を描いて終わるのではなく、現場が動き出すまで泥臭く伴走する実行支援を行っております。「現場が本部の戦略通りに動かない」「自社製品が最優先で売られない」とお感じの企業様は、無料オンライン相談をぜひご活用ください。


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